分かりやすい資料作成のために、最低限気を付けるべき4つのこと
藤沢晃治の『「分かりやすい表現」の技術』という本を読んだので、資料作成のために注意すべきだと思ったことを、自分なりに4項目にまとめてみた。なお、ここで書いていることは、本書の意図を伝えようとするものではない。読書メモとアイディアノートがごっちゃになったようなものだと思っていただきたい。
「分かりやすい」とは
4項目の提示の前に、「分かりやすい」の定義を一応定めておく。「分かる」ということ自体がおそらく難しい問題だと思われるが、ひとつの定式化として、次のような考え方はできるだろう*1
「分かりやすい」 = 「情報にたどり着きやすい」
ただし「情報にたどり着きやすい」というのは、読み手が「"必要としている情報がない" という情報にもたどり着きやすい」ということを含んでいる。
もうひとつ、「分かりやすい」と「分かったつもりになりやすい」は区別することにする。端的な表現やキャッチフレーズなどは「分かったつもりになりやすい」表現だが、実際に受け手が望む情報にたどりつきやすいとは限らない。もちろんこれはこれで大事なのだが、ここでは対象外とする。
「情報にたどり着きやすい」資料をつくるためには
実際に、「受け手」が「分かりやすい」=「情報にたどり着きやすい」資料をつくる上で、気を付けるべきことは何か。『「分かりやすい表現」の技術』の内容を受け4項目にまとめてみた。
――まあ詳しい内容は『「分かりやすい表現」の技術』を読んでください、ということにして、この本の16のルールをどのように上の4つにまとめたのか、見出しだけ載せておくことにする*2。
1. 「受け手」の立場に立っているか
- ルール1:おもてなしの心を持て
- ルール2:「受け手」のプロフィールを設定せよ
- ルール3:「受け手」の熱意を見極めよ
- ルール4:大前提の説明を忘れるな
- ルール14:自然発想に逆らうな
2. 指示されているものが明確か
- ルール6:複数解釈を許すな
- ルール9:具体的な情報を示せ
3. 構造を見失わせずにいるか
- ルール5:まず全体地図を与え、その後、適宜、現在地を確認させよ
- ルール10:情報に優先順位をつけよ
- ルール12:項目の相互関係を明示せよ
- ルール13:視覚特性(見やすさ)を重視せよ
- ルール15:情報の受信順序を明示せよ
4. 情報が適切に分割されているか
- ルール6:情報のサイズ制限を守れ
- ルール8:欲張るな。場合によっては詳細を捨てよ
- ルール11:情報を共通項でくくれ